曹洞宗の教え
曹洞宗の歴史
曹洞宗はインドから中国に伝わり、中国で発展した禅宗の流れを汲んでいます。坐禅をその根本と位置づけ、信仰生活に生きることをめざしています。
今から約二千五百年前、インドにおいてお釈迦様がおさとりを開かれたとき、まさにこの坐禅をなされておられたのです。その禅の教えをインドから中国に伝えたのが達磨大師すなわち達磨様です。
曹洞宗は臨済宗と並ぶ禅宗の2大宗です。曹洞宗の開祖は道元(1200年~1253年)で、主著に「正法眼蔵」があります。道元は内大臣久我道親の子として京都に誕生、母の死によって世の無常を感じて家出しました。
最初は比叡山で、次に建仁寺で栄西の弟子の明全から禅を学びました。
1233年、明全とともに入宋して、釈迦以来の「正法の仏法」とされる曹洞禅の天童如浄に師事し、その法を受け継ぎました。
道元は永平寺を根本道場とし、名利を避け、政治権力に接近せず、もっぱら座禅に徹するべきことを説き、余念をまじえずにただひたすら座禅をする「只管打坐」にあります。
加賀の大乗寺を開いた徹通義介の弟子、瑩山紹瑾は能登に総持寺を開いて、禅の大衆化を目指しました。
門下より五哲二十五哲といわれる逸材を出し、全国に寺院を拡大しました。総持寺が永平寺とともに2大道場として曹洞宗が大きく発展する基礎を固めました。
総持寺は明治時代に全焼したため、新時代の布教の拠点確立として横浜に移転しました。
今日、福井県の永平寺と鶴見の総持寺を「両本山」とし、曹洞禅信仰の中核を担います。
曹洞宗の教え
曹洞宗は、禅の教えをよりどころにした信仰生活に生きることをめざしています。
坐禅をその教えの根本とし、只管打坐(しかんたざ)すなわち「ただひたすらに坐る」ことがその基本的姿勢です。
お釈迦さまをご本尊としてあおぎ、大本山永平寺をお開きになられた道元さまと大本山總持寺をお開きになられた瑩山さまを両祖として敬い、この「一仏両祖」の教えに照らされた信心の日常をつとめ、やすらかなる心で生きることを目指すのです。
禅の教えは、お釈迦さまのおさとりになられたみ教えであり、鎌倉時代に中国から日本に伝えられました。 曹洞宗は、道元さまによって伝えられたこの禅の教えを今日まで正しく受け継いできた宗旨です。